
内なる静寂への招待『瞑想録 静寂の言葉』書籍レビュー

OSHOの『瞑想録 静寂の言葉』は、一度読んだだけではその深みが掴みにくい、独特な魅力を持つ一冊です。
この本は、わかる人には深く響き、わからない人には謎めいた言葉の連なりに感じられるかもしれません。
多くの人にとって、最初は後者の印象が強いでしょう。
それでも、常識や優劣の観念を手放し、心を開いてページをめくることで、思いがけない気づきが訪れる可能性があります。
興味深いことに、レディー・ガガがOSHOの著作を愛読しているという話もあります。
彼女のような感性豊かなアーティストがこの本に惹かれるのも、どこか納得できる気がします。
群衆から個へ OSHOのメッセージ
本書の中で、OSHOは人間の意識と個人の本質について鋭い洞察を提示します。
印象的な一節を紹介します。
群衆はいつも、雑多でゴチャゴチャしている。だが、雑多でゴチャゴチャした個人というのはいない。それぞれの個人は、真正な気づきのある意識だ。彼が群衆の一部となるとき、彼は気づきを失う。そして彼は、集団的で機械的な思考に支配されてしまう。私が取り組んでいるのはシンプルなことだ。
個人を群衆から引っ張り出して、個としての本性と気高さを彼に与えること。
『瞑想録 静寂の言葉』OSHO 著
この言葉は、現代社会における集団心理と個人の自由の対比を鮮やかに描き出しています。
群衆に流されず、自分自身の意識に立ち返ること。
それがOSHOの目指す「シンプルなこと」です。
しかし、このシンプルさが、実は最も難しい挑戦なのかもしれません。
新たな生き方へ
『瞑想録 静寂の言葉』を読み進めるうちに、理解の糸口をつかんだ読者は、ある種の選択を迫られるでしょう。
それは、従来の価値観や社会の枠組みを超えて、自分自身の内なる声に耳を傾ける生き方へのシフトです。
本書は、意識の性質や人間の本質について深く掘り下げますが、OSHO自身が言うように、単に理解するだけではなく、「それ」を実際に観じることが重要です。
瞑想や内省を通じて、言葉を超えた体験に触れること。
それこそが、この本が目指す真の目的なのかもしれません。
この書籍は以下の人におすすめします。
- 内なる静寂を求める人:日常の喧騒から離れ、自分自身と向き合いたい人に。
- スピリチュアルな探求者:意識や存在の本質について深く考えたい人に。
- OSHOの哲学に興味がある人:彼のユニークな視点に触れたい人に。
まとめ
『瞑想録 静寂の言葉』は、ただ読むだけでなく、感じ、体験するための本です。
常識を脇に置き、心を開いて向き合えば、きっと新たな視点が開けるはずです。
OSHOの言葉は、まるで静かな湖に投げ込まれた石のように、読者の心に波紋を広げます。
その波紋を追いかける旅は、あなた自身の内なる発見に繋がるかもしれません。
書籍情報
- タイトル:『瞑想録 静寂の言葉』
- 著者:OSHO
- 訳者:中原邦彦, 庄司純
- 出版社 : 季節社
- 発売日 : 2019/11/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 192ページ
- ISBN-10 : 4 873691028
- ISBN-13 : 978-4873691022