『「原因」と「結果」の法則 ② 幸福への道』ジェームズ・アレン

 

ジェームズ・アレンの『「原因」と「結果」の法則 ② 幸福への道』(原題:The Path of Prosperity、サンマーク出版)は、自己啓発の古典『As a Man Thinketh』に続く、幸福と成功への深い洞察を提供する名著です。

この本は、思考と内面の探求を通じて真の幸福を見つける方法を教えてくれます。

 

ジェームズ・アレンと本書の背景

ジェームズ・アレン(1864-1912)は、イギリス生まれの哲学者・著述家で、約9年間の執筆活動で19冊の著書を残しました。

The Path of Prosperity』(1907年)は、思考が人生を形作る「原因と結果の法則」をさらに深め、幸福の本質に迫る作品です。

日本でも多くの読者に愛されています。

アレンは本書でこう述べています。

私は周囲の世界をじっくりと観察しました。そして、そこが悲しみの闇で覆われ、苦悩の猛烈な炎で焼かれていることを知りました。

つづいて、私はその原因を探そうとして、さらに世界に目をやりました。しかし、それは見つかりませんでした。さまざまな本を片っ端から読んでもみましたが、やはりその原因には行き当たりませんでした。

しかし、あるとき私が自分の内側に目をやると、そこにあったのです。そこには、世界の悲しみと苦悩の原因がすべて横たわっていました。

私はまた、その同じ場所で、その原因の起源と性質を、さらには、その原因の取り除き方も発見するに至りました。

私はある≪法則≫を発見しました。それは愛の法則でした。

私はある≪生命≫を発見しました。それは、人間を愛の法則との調和へと導く生命でした。

私はある≪真実≫を発見しました。それは、正しくコントロールされた、静かで従順な心に関する真実でした。

そして私は、ある本を書きたいと考えました。人々が ― たとえ裕福な人でも、貧しい人でも、学歴のある人でも、ない人でも、精神論者でも、唯物論者でも ― 彼ら自身の内側で、真の成功、真の幸せ、真の豊かさの源を発見し、それを育むのを手助けするための本をです。

私は、その夢をずっと抱きつづけてきました。そしていま、ようやく、その夢が叶おうとしています。

癒しと祝福の使命を帯びたこの夢の本が、受け入れる準備を整えて待つすべての人たちのもとへと届くことを願いつつ、私はいま、この本を世界に向けて送り出そうとしています。

『THE PATH OF PROSPERITY(邦題:「原因」と「結果」の法則②幸福への道 坂本貢一[訳])』ジェームズ・アレン 著

 

本書の核心 幸福への道

『「原因」と「結果」の法則 ② 幸福への道』では、外側の世界は私たちの思考が作り出した「幻」であり、愛の法則と調和することで、永遠の幸福が得られるとアレンは説きます。

本書では、以下の気づきが得られます。

  • 愛の法則:他者との調和を通じて幸福を築く。
  • 静かな心:正しくコントロールされた心が真実を明らかにする。
  • 内的探求:自分自身の内面に成功と豊かさの源がある。

 

内なる静寂がもたらす気づき

私たちは日々、目の前の出来事や状況にレッテルを貼り、分析し、判断します。

仕事の失敗、人間関係の軋轢、社会の不条理…それらを「現実」として受け入れ、真実だと信じ込んでしまいます。

しかし、ジェームズ・アレンの『「原因」と「結果」の法則 ② 幸福への道』では、こうした外側の世界は、実は私たちの内面が織りなす「幻」であると説きます。

この気づきを得る鍵は、本書が強調する「静寂のなかに入る」習慣にあります。

この「静寂のなかに入る」とは、日常の喧騒から離れ、心を落ち着けて内省する時間を持つことです。

たとえば、朝の数分間、静かな部屋で目を閉じ、呼吸に意識を向けるだけでも、心の奥底に潜む真実が少しずつ見えてきます。

この実践を習慣化することで、外部の出来事が自分の思考や感情の反映であることに気づき始めます。

たとえば、誰かへの苛立ちは、その人の行動ではなく、自分の内面の反応が作り出したものだと理解できるようになります。

気づきの初期段階では、こうした「気づいている状態」と「無意識の状態」が交互に訪れます。

ある瞬間は、自分の思考が現実を形作っているとクリアに感じるのに、次の瞬間にはまた日常の幻に飲み込まれる…そんな揺れ動きの中で、現実とは何かを見失うこともあるでしょう。

私自身、最初はこの混乱に戸惑いました。

職場でのストレスや将来への不安が、本当に自分の心の産物なのか、疑う気持ちもありました。

しかし、静寂の習慣を続けることで、徐々に「腑に落ちる」瞬間が訪れました。

それは、まるで曇った鏡が磨かれ、初めて自分の本当の姿が見えたような感覚でした。

この深い理解に至ると、自分の現実を創っているのは他ならぬ自分自身であるという事実を、心から受け入れることができます。

たとえば、日常の小さな選択(朝の気分を決める思考、他人への接し方、困難への向き合い方など)が、人生全体の流れを形作っていると実感できるようになります。

この気づきは、単なる知識を超えた、生き方そのものの変革をもたらします。

そして、こうした内面の探求を通じて人生への理解を深めると、世界の見え方が変わります。

不安や悩みは、かつては巨大な壁のように感じられたのですが、今では単なる思考の影に過ぎないとわかります。

この境地に至ると、永遠の幸福が手の届くものになります。

それは、外部の状況に左右されない、穏やかで揺るぎない心の状態です。

忙しい日々の中でも、心の静寂を保ち、どんな状況にも感謝の気持ちを見出せるようになるのです。

『「原因」と「結果」の法則 ② 幸福への道』は、こうした幸福への道を歩みたいと願うすべての人にとって、必読の書です。

この本は、単なる理論ではなく、ジェームズ・アレンが自らの経験を通じて確信した実践的な智慧を教えてくれます。

 


書籍情報

  • タイトル:『「原因」と「結果」の法則 ② 幸福への道』(原題:The Path of Prosperity
  • 著者:ジェームズ・アレン
  • 訳者:坂本貢一
  • 出版社 ‏ : ‎ サンマーク出版
  • 発売日 ‏ : ‎ 2004/1/8
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 164ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4 763195557
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4763195555

 

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