「網様体賦活系(もうようたいふかつけい)の作用」では説明がつきません

「引き寄せの法則」や「思考は現実化する」といった概念を語る際、しばしば登場するのが「網様体賦活系(RAS:Reticular Activating System)」という脳の仕組みです。

RASとは、脳幹にある神経ネットワークで、私たちが意識を向けている情報を選別し、それを優先的に知覚に上らせるというフィルターのような役割を果たしています。

たとえば、赤い車が欲しいと思っていたら、街で赤い車ばかりが目につくようになる。

あるいは、妊娠した途端に妊婦さんばかりが視界に入るようになる。

こうした現象はRASによる選択的注意の結果だと言われています。

つまり「脳が注目する対象を変えることで、世界の見え方が変わるに過ぎない」という、引き寄せの法則の科学的な説明としても使われています。

しかし、私自身の体験や感覚としては、この「RASによるフィルター仮説」だけでは到底説明がつかないことが多々あります。

単に「意識しているから目につく」などというレベルではなく、まるで「現実そのものが創造されている」ように感じられる瞬間があるのです。

 

現実は、自分自身が発する波動により創造されます。

私たちがどんなエネルギー、どんな意識状態、どんな感情の波動を放っているかによって、外側の現実が形づくられていきます。

RASが注意の矢印を変えているだけではなく、そもそも現実そのものが私の内的状態に呼応して創造されている・・・確かに、そのような感覚があるのです。

これは、単なる偶然とは思えないような「引き寄せ」の体験にしばしば現れます。

たとえば、「こういう人と出会いたい」と明確にイメージしていたら、まさにその通りの人物が数日後に目の前に現れる。

あるいは、ある情報が欲しいと静かに意図した数時間後に、全く予期しない場所でその情報が舞い込む。

こうした出来事が重なっていくと、もはやRASだけで「引き寄せ」を説明しようとすることが苦しいと感じざるを得ません。

RASはあくまで「既にある情報の選別装置」にすぎないのです。

 

では、私たちはどのようにして「現実を創造している」のでしょうか。

その鍵は、「周波数」です。

これはスピリチュアルな概念にも聞こえるかもしれませんが、現代物理学でもすべての物質、エネルギー、意識が固有の振動数(frequency)を持っているということは知られています。

そして、共鳴する周波数同士が引き合い、現実として顕在化するのです。

心地よさ、喜び、感謝、安心といった高い周波数の状態にあるとき、人生には驚くほどスムーズで豊かな出来事が連続します。

逆に、不安、怒り、焦り、欠乏感などの低い周波数にいるときは、まるでその感情が外側に投影されたかのような現実に包まれていきます。

この「内面の周波数が外の現実を創る」という理解は、RASのメカニズムでは説明できません。

RASはあくまで「すでにある世界の中から何を受け取るか」という話であり、「何が現れるか」「何が起きるか」という現実の根本的な構造には踏み込んでいないからです。

とは言え、もちろん脳科学の視点も大切です。

私たちが意識を向けたものに注意が集まり、選択が変わり、行動が変わり、結果として現実も変わっていく、というプロセスも確かに存在します。

ですが、それは「現実創造」の一部に過ぎません。

本質はもっと深く、私たちの存在そのもの、つまり波動やエネルギー、そして「意図の力」にあると私は感じています。

科学とスピリチュアルの間に橋を架けることができるとしたら、それは私たち一人ひとりの体験と感覚から出発するほかありません。

目に見える現象の背後にある、目に見えない法則。

その両方を統合的に捉えることが、これからの時代に求められているのではないでしょうか。

 

私たちは単に現実を見る存在ではなく、現実を創造する存在です。

そしてその創造は、RASという脳のフィルター機能をはるかに超えた、もっと根源的で、美しく、神秘的なプロセスなのだと、私は確信しています。

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