
【書籍】ガイアの思想 monologue

『ガイアの思想 monologue』は、田坂広志さんの著書です。
田坂広志さんは、技術者、経営学者(社会起業家論)です。
1951年生まれ。
東京大学を卒業後、大学院へ進学し工学博士(原子力工学)を取得。
多摩大学大学院名誉教授、シンクタンク・ソフィアバンク代表、21世紀アカデメイア学長、田坂塾塾長など多方面において活動しています。
遠景の中に置いて見るとき、その価値が見えてくる思想というものがある。
ジェームズ・ラヴロックの語る「ガイアの思想」も、そうした思想の一つである。
それゆえ、もし、このガイア思想の価値を真に理解したいと望むならば、我々は、最も深い哲学の領域と、最も新しい科学の領域へと、視野を広げなければならない。
そこで、ガイア思想について語るべき本論を、まず、最も深い哲学の問題を語ることから始めよう。
『ガイアの思想 monologue』田坂広志 著
『ガイアの思想 monologue』は、1998年に刊行された『ガイアの思想 地球・人間・社会の未来を拓く』を基に、ジェームズ・ラヴロック博士が提唱した「地球は一つの生命体である」というガイア思想について、田坂広志さんの考察だけを抽出し、まとめた一冊です。
田坂さんの博覧強記と知性から紡ぎ出された洞察は、息をのむほど鮮やかです。
「答えのない問い」に真摯に向き合う姿勢は、読む者の心を強く打ちます。
論理的かつ科学的でありながら、哲学的で詩的なその文体は、まるで協奏曲のような響きを持ち、時に鳥肌が立つほどの感動を呼び起こします。
複雑化することで新たな性質を生み出す「複雑性」、個の自発性が全体の秩序を形成する「創発性」、自然に秩序や構造を創出する「自己組織性」、そして突如としてまったく異なる存在へと飛躍する「進化」。
これらの概念を通じて、生命、精神、社会、地球、宇宙が織りなす「深遠なつながり」を、田坂さんは明快かつ簡潔に表現しています。
私たち一人ひとりが、この世界と切り離せない大切な一部であることを、科学的・哲学的に解き明かし、深い気づきを与えてくれる本書に、心からの感謝を捧げます。
参考