機能の檻 「役に立つ」が「好き」を奪っていくとき
「機能か、純粋な『好き』か」。 この問いは、現代社会の中で、私たちが無意識のうちに深く影響を受けているテーマの一つかもしれません...
幼少期から幾度もの環境変化を経験するなかで、「人はなぜ苦しみ、なぜ同じ場所へ戻り、そして何を通して変化していくのか」という問いを抱えながら歩んできました。
大学では化学システム工学を専攻し、博士課程への進学を志していましたが、在学中に、命に関わるほど深い絶望を経験しました。
それは、医学的な名前だけでは整理しきれない、長い暗闇の時間でもありました。
医療の助けを借りながら、誰にも理解されない断絶の感覚を抱える一方で、言葉を交わさずとも静かに支え続けてくれた人たちや、あえて距離を取りながら見守ってくれた存在に、何度も救われました。
この経験をきっかけに、「心」「意識」「人間の本質」への探究が始まりました。
以後、学術的な視点と内面的な体験、その両方を行き来しながら、人間理解についての思索を深め続けています。
同時期、15歳より両親の小売事業に関わり、大学卒業後は、社会との接点を取り戻すように現場へ立たせていただきました。
店舗運営責任者として、多くのお客様やスタッフと向き合う日々のなかで、人の感情、欲求、疲弊、組織、人間関係、社会構造の縮図のようなものを、現場の最前線で見つめ続ける時間を過ごしました。
数字や成果だけでは測れない、人間の内側で起きているもの。
表面的な言葉の奥で、人が何を求め、何に傷つき、何を守りながら生きているのか。
そうしたものへ、少しずつ意識が向かうようになっていきました。
その後、日本各地で行われている経営・人材育成の講演や学びの場へ足を運びながら、自らも「Office Human Nature」として、人材育成や内面的成長に関する活動を模索していきました。
しかし、その過程で、自分自身の内側にある深い違和感や、本来の感覚とのずれを、どうしても無視できなくなっていきました。
社会的な役割や、外側から見える「正しさ」を積み重ねていくほどに、自分の内側との距離が広がっていく感覚。
その静かな苦しみと向き合うなかで、「こうあるべき」という形へ自分を合わせ続ける生き方から、少しずつ離れていくようになりました。
それは何かを捨てたというよりも、自分自身の奥深くにある感覚や存在の在り方へ、正直に生き直していくための転換だったのだと思います。
それからも、日常生活と並行しながら、人間理解や霊性への探究を続けています。
成功も、喜びも、苦しみも、過ちも、そのどれか一つだけが特別だったのではなく、そのすべてが、人間という存在を理解していくために与えられていた時間だったように感じています。
そして、これまで出会ってくださった方々、支えてくださった方々、傷つけてしまった方々、そのすべての存在に、深い感謝を抱いています。
現在は、Webサイト『Awaken Human Nature』を通じて、人が自分自身との結びつきや、現実との関わり方を見つめ直していくための文章や文書の制作に取り組んでいます。
時空を超えて響き合う言葉を通して、一人ひとりの旅路に静かに随伴していくこと。
それが、現在の活動の土台となっています。
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