
「私」に還る/「本当の自分」を取り戻して生きるために必要なこと
脳と心をクリアにする技術
1日ずつ、人生最高の日にしよう。
ジョン・ウッデン (アメリカの大学バスケットボールコーチ)
心と脳と現実

これまでにお伝えしてきたことを行えば、「理想の一日」に近づいていきます。気がつけば、いつの間にかその一日が訪れていた、という人もいます。
ですが実は「理想の一日」でなくとも、いますぐ幸せになる方法があります。それをお伝えします。
幸せは、多くの人は外から与えられるもの、外から獲得するものだと思い込んでいます。たとえば、
もっとやりがいのある仕事だったら・・・
もっとお金に余裕があったら・・・
理想のパートナーに出会えたら・・・
外側にある何かを獲得できたら幸せになれる、という幻想の中に生きています。
人間の悩みを分割すれば、健康、お金、人間関係、将来の4つだと言われています。たしかに、それらは客観的な基準としてはもっともらしい気がします。もっともらしい気がする理由は、そういった情報を習慣的に見ていたからです。周囲の人やテレビ、雑誌、インターネットなどのメディアを通して、です。
たしかに、地位、名誉、お金、人脈などが世間的な成功の基準になっているかもしれません。しかし、それらは実はあなたの心の幸せとは何の関係もありません。
なぜなら、本当の幸せとは外から与えられるものではなくて、内側から感じるものだからです。
人は客観的にどれだけ恵まれているように見えても、不幸な人は不幸です。
人は客観的にどれだけ厳しい環境にいるように見えても、幸せな人は幸せです。
しかしながら、多くの人は外側の状況で一喜一憂してしまいます。それは人生の主導権が自分の心にあるのではなく、外側(健康、お金、人間関係、将来)にあるということを意味します。
環境は常に変化します。変化し続けます。
それがこの世界の真理です。
空の様子が変わり続けるように・・・
川の水が流れ続けるように・・・
この宇宙のすべてのことが変化し続けています。その変化に逆らおうとすれば苦しみが生まれます。環境がどのように変化しても幸せであるためには、変化の流れに身をまかせながら、自分の心を従えて生きることが大切です。
変化し続ける環境の影響によって、自分の心が揺れ続けるのであれば、そこには平安がありません。
それを克服するために、瞑想という方法があります。
瞑想を行うことによって、外的環境が変化しても心の平安を静かに保ち続けて、いつでも幸せな心で過ごすことができるようになります。そして「いま、この瞬間」に向き合うことが可能になります。
私たち人間には、パソコンやスマートフォンのように容量というものがあります。たとえば、時間、大切にしている人間関係、物、そして脳などがそれにあたります。
とくに脳は、できるだけ少ない努力で大きな情報処理を行おうとします。自分の脳を有意義に活用するためにも、瞑想で心を静かに整えることが大切なのです。
また、瞑想で心を整えることによって、エゴ(自我)の働きを抑制する効果があります。エゴは「私」について語ります。そして、そのほとんどが不安や恐怖という幻想を作り出します。過去のことを考え、再びこうなるかもしれない、と良くない妄想を繰り返すことがあります。なぜならエゴは変化を嫌がるからです。
ですが瞑想によって心の中のエゴが静まれば、変化を脅威とは感じなくなります。それは宇宙の真理である変化を当然のこととして受け入れ、気にならなくなるからです。
ここでは、瞑想を実践する前に一つ、習慣にしていただきたいことがあります。
それは、「目を閉じる」ことです。
脳の情報処理で最も多くエネルギーを使っているのは、視覚情報、つまり目から入る情報だからです。余裕があるときに目を閉じるという習慣をつけるだけでも、脳を少し休ませることができます。また、いざ瞑想をはじめようというときに、そうすることが楽になります。
瞑想

瞑想についてお伝えいたします。瞑想とは、目を閉じて深く静かに思いを巡らせることです。
瞑想によって、脳と心を静かに整えることができます。そして、「いま、この瞬間」におだやかに向き合うことが可能になります。
私たちの人生は、経験してきた考え、感覚、感情から構成されたストーリーのようなものです。過去の記憶と、そこからくる期待や不安の中で過ごしていて「いま、この瞬間」を生きることを難しくする傾向があります。
そこで、外的環境が変化する中でも、おだやかな気持ちで過ごすことができるようになるために、簡単な瞑想法をお伝えします。
瞑想法
15分程度の時間を確保します。
できる限り邪魔をされない、静かな場所を選び、座ります。
できる限り「音」から離れます。
最初に一度、大きく息を吸って、目を閉じましょう。
ゆっくり息を吐くと同時に、思考や呼吸に意識を向けましょう。
そのままゆっくり息を吸って、吐いて・・・
呼吸とともに自分の思考も吸い込み、吐き出すようにイメージしましょう。
呼吸を観察しているうちに、そこにもリズムがあることに気づくでしょう。
思考がやってきても、ただ観察しましょう。
意識がほかのところに向いてしまうかもしれません。気にせず呼吸の流れに意識を戻されてください。
15分経ったら、目を開けてください。
この瞑想を行うことによって、脳と心を静かに整え、「いま、この瞬間」におだやかに向き合うことができるようになります。
起床直後と就寝直前の一日2回行うと良いでしょう。一日1回でも十分な効果があります。
瞑想を習慣化すれば、人間が一日に約6万回もすると言われている「思考」の回数が減っていきます。思考が少なくなっていくと、思考を観察することが簡単になります。
つまり、自分の思考にすぐに気づくことができるようになります。自分で自分の思考を認知(これを「メタ認知」と言い、人間の能力の中でも最も高度なものとされています)することができるようになります。それによって、自分の感情、言葉、行動などを自由に選択することができるようになっていきます。
心を整え平和な気持ちで過ごす方法

瞑想に加えて、おだやかで平和な心で過ごすために良い方法をいくつかご紹介いたします。
自然とふれあう
定期的に自然とふれあう時間を作ることによって、自分の本質的な部分とつながることができます。それはおだやかさと平安を維持し、恐れを知らず、とても自由な感覚です。言葉にすることがとても難しい領域です。この感覚と他の感覚のちがいを知ることができれば、自分の心のズレのようなものにも容易に気づくことができるようになります。
沈黙する
人は心の中で様々なことを考えてしまうものです。それは、心のおだやかさや平安とはかけ離れてしまう要因となっています。現代はとくに情報が多すぎます。外で騒がしい状態なのに、(外が騒がしいからこそ、かもしれませんが)内側も騒がしいと混乱してしまいます。
そして実は多くの人は、自分の心が混乱していることに気づかずに生きています。とても難しいことですが、沈黙をする習慣を身につけると、様々なことがクリアに見えるようになります。
判断しない
これも難しいことですが、人は物事に対して評価を下してしまいます。たとえば他人の振る舞いや態度に対して、これは正しい・間違っている・良い・悪いと考えたり、レッテルを貼ることをしてしまうことがあります。
「判断しない」とは、そういったことを少しでもやめるように努めることを意味しています。そのために、まずは瞑想や沈黙の実践が欠かせません。
感謝する
人から何かを与えられたとき、心から「ありがとう」と言います。何もなくても、自分の身体が動くことや、ただ健康であることに心の中で「ありがとう」を伝えます。これは簡単にできることですが、簡単だからこそ、多くの場合に無視してしまっているとも言えます。
このような方法を実践していくと、自分の心を整えながら内側から幸せを感じて生きることができるようになっていきます。いまの生活で、これを実践し習慣化するだけでもかなりの変化があらわれるでしょう。
「理想の一日」を描く行動にこれらを加えれば、とても素晴らしい日常を過ごすことができます。
ぼくが5歳の時にママがいつも言っていた。
「幸せ」が人生で一番大切なことなんだって。
学校へ行くと、将来の夢を尋ねられた。
ぼくは「Happy」と書いた。
すると、みんなは「ちゃんと質問の意味を理解しろ」って言うんだ。
だから、ぼくは彼らに教えてあげたんだ。
「君たちは人生をわかってない」
ジョン・レノン (イギリス出身のシンガーソングライター)