「私」に還る/「本当の自分」を取り戻して生きるために必要なこと
私たちは自分の意識によって創られる、芸術作品のような世界で暮らしています。 世界の創り方を知れば、自分が生きたい世界で生きることができるようになります。
こちらの記事は、私たちにとって幸せで意義のある「理想の世界」「理想の人生」を創るために必要な基礎知識をつけ、自力で刷り込みを解き、 自立自助を促進するための「入門書」のような位置づけの文書です。
世の中の「成功」に対するイメージは、ほとんどが刷り込みです。そして上位者が言う通りに、がんばれば、がんばるほど、エネルギーが枯渇する(そうなっていることにも気が付けなくなる)仕組みになっています。
人は本当に好きなことを行なうときには「がんばる」ことを必要とはしません。
私たちはひとりひとりが唯一無二の存在です。 ですから、世の中の成功者(または上位者)、有名人・著名人 と呼ばれる人と比べる必要も、 言うことを聞こうとする必要も、 ついていこうとする必要も 全くありません。ただ、
「私が本当に求めることは何なのか?」
それを自分で理解して、意図をもって、ゆっくり、のんびりでも前進していくことは、とても意義深い人生を創る下準備となります。
文書の内容を一つの「考える材料」または「選択肢」としてご活用ください。
また、文書を読まれた方が「ご自身のこと」と「現状」と「これから」を、一度冷静に見つめなおした上で、地に足を着けて、少しずつ行動をするきっかけとなれば幸いです。
はじめに
私たちが暮らす、この世界は「私」の意識によって、どのようにでも創り変えることができる芸術作品のような世界です。
「私」が想うことは何でもできる素晴らしい世界なのです。
「私」が「私」を決めることができるのです。
画家が、自分で描いたスケッチを気に入らなければ、それを捨てて新しいキャンバスを準備するように、あなたがこれまで描いてきた「物の見方」とそれに伴う「行動」を捨ててしまえば、新しい描き方が見えてきます。
あなたにとって必要な思想、必要な情報だけを受け入れ、それを素材として描けば、そこには美しい世界が広がるでしょう。
そのためにまずは、あなたにとっての「当たり前」に気がつく必要があります。
その「当たり前」に気がつくことができれば、これから描きたい絵にとって、良いものか、悪いものかを選別する作業に取りかかることができます。
あなたにとって、良いと思うものは保管します。
あなたにとって、悪いと思うものは捨てます。
絵を描き続ける途中、あなたが保管したものに対して、再びこの作業が必要になるでしょう。
それは、繰り返しになりますが、画家が絵を描いて、消して、また描いて・・・と、自分が描きたい絵を修正しながら楽しんで描き続けることと同じようなものなのです。
人生は、描きたいと思うものを想像して、この作業を繰り返して「遊ぶこと」「楽しむこと」がコツのようです。
理想的な現実を創るのに必要な、基本的な作業はこれだけです。
・・・言葉を目にしてみると「まあ、その通り」と思う人もいるかもしれません。
しかしながら、多くの人が現状に不満を言いながら、あきらめてしまっているのが、いまの社会的な現実ではないでしょうか。
それは一体なぜでしょうか?
・・・考えてみたことはありますか?
この文書に書かれていることを、少しずつでも実践しながら理解するにつれて、そのような疑問は消えていきます。そして、あなたが描きたいと思う絵を描きながら生きることに対して希望が見えてきます。
このような文書を最後まで読まれる方は、どちらかといえば、意識が高い人、優秀な人、頑張り屋な人が多いのではないかと思います。
もしあなたがそうであれば、このような文書にめぐり遭うことは、ある意味で運命のようなものだと思います。
その意味を端的にお伝えすれば、頑張って構築してきた水路に流れる水を、別の水路へと方向を転換させるためには、まず流れ(激流)のスピードを変えることが必要です。
水の流れを小川のようにゆるやかにしていく、そのために「意識」的な意味で、もうひと頑張りする必要があるかもしれません。
(コツを掴めれば、そのような頑張りも必要はなくなります)
この文書には、いくらかの「問い」や「課題」が用意されています。まずは全体に目を通して知識として押さえ、それから問いに答えたり、課題を実践してみることをおすすめします。
あなたがご自身の理想の世界を描いて、それを現実にすることができますよう、心からお祈りしております。
理想を描く
細かく考えすぎたらその場から動けないし、
だいたいで動いているだけでは目的地につくことはできない。
羽生善治(日本の将棋棋士、十九世名人)
現状を知る
私たちは生きる上で、あらゆる義務を抱えています。仕事では役割があり、家に帰れば家事や育児をこなし、様々な生活上の手続きをこなし、心が休まる暇もないように感じている人がたくさんいます。
疲れていても、一度も立ち止まることすら許されないように感じている人もいらっしゃるでしょう。
そのような毎日の中で、私たちはいつしか心をなくしてしまいます。
「忙しい」とは、心を亡(な)くすということ、とかつて私はいろんな人から聞きましたが、本当にそのような毎日を送っているのが現代の私たちだと思うのです。
そのような日々の中で、それでも常識的に振る舞い、周囲のことばかり考えて言動・行動をとられていらっしゃる人がいます。それはあなたかもしれません。もしそうだとしたら、あなたはとても優しい人なのだと思います。
そして、特にそのような人にこそお聞きしたいのです。
あなたはどう生きたいですか?
何をお望みでしょうか?
忙しい毎日を送られていることを自覚をされて、一度立ち止まることはできますか?
前述の問いについて静かに考えるため、少しの時間をつくることはできますか?
あなたは多くのことを頑張ってこなしているのが当たり前で、またそのような性質なのかもしれません。誰が何と言おうとも、または何も言ってくれなかったとしても、あなたは完全で素晴らしい存在です。
まずは、あなたにとって最も大切な人間関係である「自分自身との関係」を振り返っていただきたく思います。
あなたは自分を休ませていますか?
自分を喜ばせてあげていますか?
自分を大切にされていますか?
自分を愛していますか?
人に優しく、自分にはもっと優しく。
このような気持ちで日々を生きることができるように、少し考えてみてください。
もう一度、お聞きします。
あなたはどう生きたいですか?
何をお望みでしょうか?
自分が望まないことを知る
「自分にとってより良い人生」とは何を意味するのでしょうか?
この問いの答えをあなたが得ることによって、あなただけの「人生の目的」を持って生きることができるようになります。
あなたにとって何が最も大切なことなのか、を慎重に選択して行動することができるようになります。
ただ、「幸せになりたい」「裕福になりたい」「恋人・配偶者といい関係になりたい」などの、ざっくりとした希望では、うまくいくことはないようです。
それだけでは、多くの選択を繰り返しながら人生を歩むために必要な、心のエネルギーが不足するからです。
ですので、あなたが何を求めているのかを具体的にする必要があります。自分が本当に望んでいることが何かを、自分でわかってあげましょう。
「はじめに」でもお伝えしましたが、人生というキャンバスに、楽しみながら絵を描く気持ちで取り組むことが大切です。
その際には、あなたは適当な色や形で描くでしょうか? それはあり得ないと思います。「こんなに大切な自分の人生」なのですから。
理想的な人生を描くために、まずは「あなたの人生に望まないこと」について考えます。
なぜ、望まないことから考えるのかというと、多くの人は自分が望むことよりも、望まないことの方が自分でよくわかっているからです。
望まないことを明確にすることによって、望むことがしっかりとわかるようになります。
よろしければ少し時間をとって、あなたが自分の人生に望まないことをリストアップされてみてください。あまり考えすぎずに、たとえば抱えているストレス、不満、心配事などを思いつくままに書き出してみてください。
自分が望むことを知る
あなたは「自分の人生に望まないこと」をしっかりと把握することができました。
次にあなたが「自分の人生に望むこと」を考えてみます。
あなたが人生でやりたいことをできるだけ書き出してみます。
あなたがこれまでに経験した、幸せなこと、自慢できること、恵まれていること、満たされていることなどからはじめるのが良いでしょう。「自分の人生に望まないこと」のリストを参考にされても良いでしょう。
理想の一日を描く
あなたの人生に「望むこと」「望まないこと」をしっかりと理解することができたところで、「心から望む理想的な一日」を描いてみましょう。ここで、先に作っておいた「望むこと」「望まないこと」のリストがとても役に立つことになります。
「心から望む理想的な一日」を描くために、たとえば以下の質問が参考になると思います。
どんなところに住んでいますか?
どんな家に住んでいますか?
どんなお友達がいますか?
趣味は何ですか?どれくらいそれに時間をつくっていますか?
家族とはどれくらいの時間を共に、何をして過ごしていますか?
仕事は何をしていますか?
一日に何時間働いていますか?
お客さまはどのような人たちですか?
仕事の環境はいかがですか?
誰と仕事をしていますか?
仕事に対して情熱を感じていますか?
何時に起きますか?
何時に寝ますか?
日々をどのような気分で過ごされていますか?
リラックスしていますか?
このような質問に答えていくことによって、理想的な一日を描きやすくなります。だんだんとイメージが明確になっていきます。
まずは言葉で出していきましょう。
できる人は絵を描いても良いです。または回答に見合った写真や画像を、画用紙やコルクボードなどに貼っていくのもおすすめです。
次に、その描いたものをもとに、一日の流れを物語のように書いてみます。上手だとか下手だとかは気にされないでください。思いつくままに理想の世界をストーリーとして書いてみましょう。
ここまでの作業を行えば、あなたの理想の世界の「原型」ができあがります。この原型に毎日目を通すだけで、あなたは意図的に、目的のある人生を歩むことができるようになります。
これからの人生において、何かを選択する際には、自分で描いた理想の世界の「原型」を念頭に置いて考えるようになる、いえ「直感」が訪れるようになるからです。
たいていの人はほんとうになにがほしいのか、心の中でわかっています。
人生の目標を教えてくれるのは直感だけ。
ただ、それに耳を傾けない人が多すぎるのです。
バーバラ・ブラハム (米国の女性ビジネスコンサルタント)
習慣について学ぶ
樹木にとって最も大切なものは何かと問うたら、
それは果実だと誰もが答えるだろう。
しかし実際には種なのだ。
ニーチェ (ドイツの哲学者、古典文献学者)
習慣について詳しく知る
習慣という言葉は、あなたも聞き慣れていると思います。しかしながらこの習慣という、自分の人生を創るためにとても大切なものをしっかりと理解されている方は非常に少ないようです。
習慣=いつもやっていること
という認識で終わっていたり、外側から与えられた仕事や他人の価値観などを半強制的に習慣にされている方が多いようです。
あなたが習慣について詳しく知れば、様々なことを楽に行うことができるようになります。
これから習慣について学んでいきましょう。
習慣とは、「行動」の継続のことです。
そしてその行動は、「学び」からくるものです。
学びは、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚などの五感(人によっては第六感まで)を通して「受け取る情報のすべて」を意味します。
習慣は強制的に変えることもできますし、好き嫌いで変えることもできます。
人が他人を支配して変えることもできますし、自分で何かの目的のために選択して変えることもできます。
さて、こちらの説明だけでも、習慣について詳しく知ることのメリットがご理解いただけるのではないかと思います。ちなみに、私が習慣について知ったときに考えたことを一部お伝えします。
案外自分が何をやっているか把握していない
いま自分がやっていることを見直す必要がある
一日の流れで同じことを無意識に選択しているかもしれない
この習慣はどうして身についたのか
いま知っていること、やっていることはどこから仕入れたのだろう
他人にとって都合のいいように動かされているだけかもしれない
自分にとって都合のいい習慣をつくらないと・・・何も変わらない?
このようなことを考えました。これらのことは正にその通りで、とても素晴らしいことです。それは習慣を通して人生を創り変えることができると知ったことになるからです。
この文書のはじめに「理想を描く」という項目を持ってきている理由は、「自分の理想的な一日」を自分が知らなければ、習慣という「行動の継続」を通して、自分の人生を描き続けることができないからです。
逆を言えば、自分で「自分の理想的な一日」を知っているあなたは、これからは自分の人生を描き続けることができるようになるということになります。
それでは人生と習慣の関係をさらに詳しく学んでいきましょう。
習慣化のコツ
シンプルに人生は、習慣が舵をとっていると考えると、楽に描いていくことができます。お伝えしました通り、
習慣とは、「行動」の継続のことです。
そしてその行動は、「学び」からくるものです。
学びは、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚などの五感(人によっては第六感まで)を通して「受け取る情報のすべて」を意味します。
習慣は強制的に変えることもできますし、好き嫌いで変えることもできます。
人が他人を支配して変えることもできますし、自分で何かの目的のために選択して変えることもできます。
これらのことを踏まえて考えると、自分の理想の人生を描くには、「出したい結果」が「結果的に伴う」ような習慣を作ることがとても大切だということです。
習慣は、歯みがきのように毎日やるものです。単発の行動では、どんなことであっても結果が出にくいので、継続できるということを大切にすることです。逆の言い方をすれば、毎日続けられることだけを習慣にすることが大事です。
多くの人が理想をあきらめてしまう理由は、はじめから習慣化が不可能なことをやりはじめてしまうからです。
たとえば、ダイエットにおける断食はとても難しいことです。できる人も中にはいますが、大抵はできません。
つまり、習慣化ができないことは、最初から失敗が運命づけられています。
人は「やる気」にはなれますが、継続することが中々できません。ですから、毎日やれることを続けられるようになることが大切なのです。
しかし、そもそも人はなぜ、最初から極端なことをするのでしょうか。
それは、出来るだけ、早く、楽して、結果を出したいという欲望があるからです。
「やる気」がある時に、勢いだけで極端に頑張ってしまう。続けられない。そして挫折してしまう。という流れに陥る人が多いのです。そして挫折経験が何度かあると、人はあきらめはじめます。
無理・・・
無駄・・・
変えられない・・・
と思うようになります。しかしそれは、能力の問題ではないのです。知識・技術の獲得に関しては、 あらゆる人が同じです。これは科学的にも証明されています。
能力ではなくて、目標設定を間違っているだけです。いきなり結果を出そうとするのではなくて、まずは習慣化そのものを目標にすることが大切です。
実は傍から見て、優れたことをやってのけているように見える人は、習慣化の達人です。周囲から見れば偉業とも思われることは、その人が継続してきただけです。
自分の理想の人生を描くためにとても重要な技術は、習慣化を上達することです。
あなたが習慣化という技術を身につければ、 様々なことを実現できるようになります。
大切なことは、はじめから大きな結果を求めることではなく、あなたが描いた理想の一日のために、何を習慣化するのか選択することです。
ここで、習慣化のコツをお伝えします。
習慣化のコツ
1 結果ではなく、習慣化そのものを目標にする
2 どんなことがあっても、絶対に、毎日できる小さなことからはじめる
3 3週間はどんなことがあっても、必ず、毎日 続ける
習慣にしたいことを3週間続けると、脳の情報処理が高速化します。意識せずに、無意識でやれるようになります。
そうすると、3週間から3か月は楽に続けられるようになります。3か月続くと、習慣があなたの心に影響を与え始めます。
見たいもの、聞きたいもの、触りたいものが変わってきます。
いらない習慣を捨てるための習慣をつくる
あなたは習慣化のコツを学びました。あとは自分の理想の一日につながることを習慣化するだけです。それらを実践して上達すれば、さらにあらゆることが簡単にできるようになります。
ただその前に、あなたのいまの生活が何かで「満杯」の状態(多くの方がそうではないかと思います)であれば、「行動を減らす、やめること」を目的としたことを、習慣化することをおすすめいたします。
世界はとてもシンプルなのですが、多くの人は、多くの情報によって物事を複雑化させてしまっています。たとえば、
時間に余裕が欲しいなら、テレビを見る時間を減らす
やせたいなら、食事の量を減らす
それだけです。ですが多くの人は、まずはそのジャンルの一番いい情報を手にしようと頑張ります。そして手にした方法をやってみてできなかった・・・やっぱり難しい・・・というふうになってしまい、あきらめては、はじめて・・・というループの中にいます。
それは習慣化のコツを知らないからです。全ての鍵は習慣化です。
最初の一歩は、「歩く」ではなくて「ヨチヨチ歩き」からです。
「理想の一日」のあなたが「していない行動」を今からやめるために、習慣化を活用されてみてください。
迷う、ということは、一種の欲望からきているように思う。
ああもなりたい、こうもなりたい、こういうふうに出世したい、
という欲望から迷いがでてくる。
それを捨て去れば問題はなくなる。
松下幸之助 (日本の実業家、発明家、パナソニック創業者 )
脳と心をクリアにする技術
1日ずつ、人生最高の日にしよう。
ジョン・ウッデン (アメリカの大学バスケットボールコーチ)
心と脳と現実
これまでにお伝えしてきたことを行えば、「理想の一日」に近づいていきます。気がつけば、いつの間にかその一日が訪れていた、という人もいます。
ですが実は「理想の一日」でなくとも、いますぐ幸せになる方法があります。それをお伝えします。
幸せは、多くの人は外から与えられるもの、外から獲得するものだと思い込んでいます。たとえば、
もっとやりがいのある仕事だったら・・・
もっとお金に余裕があったら・・・
理想のパートナーに出会えたら・・・
外側にある何かを獲得できたら幸せになれる、という幻想の中に生きています。
人間の悩みを分割すれば、健康、お金、人間関係、将来の4つだと言われています。たしかに、それらは客観的な基準としてはもっともらしい気がします。もっともらしい気がする理由は、そういった情報を習慣的に見ていたからです。周囲の人やテレビ、雑誌、インターネットなどのメディアを通して、です。
たしかに、地位、名誉、お金、人脈などが世間的な成功の基準になっているかもしれません。しかし、それらは実はあなたの心の幸せとは何の関係もありません。
なぜなら、本当の幸せとは外から与えられるものではなくて、内側から感じるものだからです。
人は客観的にどれだけ恵まれているように見えても、不幸な人は不幸です。
人は客観的にどれだけ厳しい環境にいるように見えても、幸せな人は幸せです。
しかしながら、多くの人は外側の状況で一喜一憂してしまいます。それは人生の主導権が自分の心にあるのではなく、外側(健康、お金、人間関係、将来)にあるということを意味します。
環境は常に変化します。変化し続けます。
それがこの世界の真理です。
空の様子が変わり続けるように・・・
川の水が流れ続けるように・・・
この宇宙のすべてのことが変化し続けています。その変化に逆らおうとすれば苦しみが生まれます。環境がどのように変化しても幸せであるためには、変化の流れに身をまかせながら、自分の心を従えて生きることが大切です。
変化し続ける環境の影響によって、自分の心が揺れ続けるのであれば、そこには平安がありません。
それを克服するために、瞑想という方法があります。
瞑想を行うことによって、外的環境が変化しても心の平安を静かに保ち続けて、いつでも幸せな心で過ごすことができるようになります。そして「いま、この瞬間」に向き合うことが可能になります。
私たち人間には、パソコンやスマートフォンのように容量というものがあります。たとえば、時間、大切にしている人間関係、物、そして脳などがそれにあたります。
とくに脳は、できるだけ少ない努力で大きな情報処理を行おうとします。自分の脳を有意義に活用するためにも、瞑想で心を静かに整えることが大切なのです。
また、瞑想で心を整えることによって、エゴ(自我)の働きを抑制する効果があります。エゴは「私」について語ります。そして、そのほとんどが不安や恐怖という幻想を作り出します。過去のことを考え、再びこうなるかもしれない、と良くない妄想を繰り返すことがあります。なぜならエゴは変化を嫌がるからです。
ですが瞑想によって心の中のエゴが静まれば、変化を脅威とは感じなくなります。それは宇宙の真理である変化を当然のこととして受け入れ、気にならなくなるからです。
ここでは、瞑想を実践する前に一つ、習慣にしていただきたいことがあります。
それは、「目を閉じる」ことです。
脳の情報処理で最も多くエネルギーを使っているのは、視覚情報、つまり目から入る情報だからです。余裕があるときに目を閉じるという習慣をつけるだけでも、脳を少し休ませることができます。また、いざ瞑想をはじめようというときに、そうすることが楽になります。
瞑想
瞑想についてお伝えいたします。瞑想とは、目を閉じて深く静かに思いを巡らせることです。
瞑想によって、脳と心を静かに整えることができます。そして、「いま、この瞬間」におだやかに向き合うことが可能になります。
私たちの人生は、経験してきた考え、感覚、感情から構成されたストーリーのようなものです。過去の記憶と、そこからくる期待や不安の中で過ごしていて「いま、この瞬間」を生きることを難しくする傾向があります。
そこで、外的環境が変化する中でも、おだやかな気持ちで過ごすことができるようになるために、簡単な瞑想法をお伝えします。
瞑想法
15分程度の時間を確保します。
できる限り邪魔をされない、静かな場所を選び、座ります。
できる限り「音」から離れます。
最初に一度、大きく息を吸って、目を閉じましょう。
ゆっくり息を吐くと同時に、思考や呼吸に意識を向けましょう。
そのままゆっくり息を吸って、吐いて・・・
呼吸とともに自分の思考も吸い込み、吐き出すようにイメージしましょう。
呼吸を観察しているうちに、そこにもリズムがあることに気づくでしょう。
思考がやってきても、ただ観察しましょう。
意識がほかのところに向いてしまうかもしれません。気にせず呼吸の流れに意識を戻されてください。
15分経ったら、目を開けてください。
この瞑想を行うことによって、脳と心を静かに整え、「いま、この瞬間」におだやかに向き合うことができるようになります。
起床直後と就寝直前の一日2回行うと良いでしょう。一日1回でも十分な効果があります。
瞑想を習慣化すれば、人間が一日に約6万回もすると言われている「思考」の回数が減っていきます。思考が少なくなっていくと、思考を観察することが簡単になります。
つまり、自分の思考にすぐに気づくことができるようになります。自分で自分の思考を認知(これを「メタ認知」と言い、人間の能力の中でも最も高度なものとされています)することができるようになります。それによって、自分の感情、言葉、行動などを自由に選択することができるようになっていきます。
心を整え平和な気持ちで過ごす方法
瞑想に加えて、おだやかで平和な心で過ごすために良い方法をいくつかご紹介いたします。
自然とふれあう
定期的に自然とふれあう時間を作ることによって、自分の本質的な部分とつながることができます。それはおだやかさと平安を維持し、恐れを知らず、とても自由な感覚です。言葉にすることがとても難しい領域です。この感覚と他の感覚のちがいを知ることができれば、自分の心のズレのようなものにも容易に気づくことができるようになります。
沈黙する
人は心の中で様々なことを考えてしまうものです。それは、心のおだやかさや平安とはかけ離れてしまう要因となっています。現代はとくに情報が多すぎます。外で騒がしい状態なのに、(外が騒がしいからこそ、かもしれませんが)内側も騒がしいと混乱してしまいます。
そして実は多くの人は、自分の心が混乱していることに気づかずに生きています。とても難しいことですが、沈黙をする習慣を身につけると、様々なことがクリアに見えるようになります。
判断しない
これも難しいことですが、人は物事に対して評価を下してしまいます。たとえば他人の振る舞いや態度に対して、これは正しい・間違っている・良い・悪いと考えたり、レッテルを貼ることをしてしまうことがあります。
「判断しない」とは、そういったことを少しでもやめるように努めることを意味しています。そのために、まずは瞑想や沈黙の実践が欠かせません。
感謝する
人から何かを与えられたとき、心から「ありがとう」と言います。何もなくても、自分の身体が動くことや、ただ健康であることに心の中で「ありがとう」を伝えます。これは簡単にできることですが、簡単だからこそ、多くの場合に無視してしまっているとも言えます。
このような方法を実践していくと、自分の心を整えながら内側から幸せを感じて生きることができるようになっていきます。いまの生活で、これを実践し習慣化するだけでもかなりの変化があらわれるでしょう。
「理想の一日」を描く行動にこれらを加えれば、とても素晴らしい日常を過ごすことができます。
ぼくが5歳の時にママがいつも言っていた。
「幸せ」が人生で一番大切なことなんだって。
学校へ行くと、将来の夢を尋ねられた。
ぼくは「Happy」と書いた。
すると、みんなは「ちゃんと質問の意味を理解しろ」って言うんだ。
だから、ぼくは彼らに教えてあげたんだ。
「君たちは人生をわかってない」
ジョン・レノン (イギリス出身のシンガーソングライター)
集団意識と幻想を見破る
どうやって生きるかなんてことは、誰も他人に教えられないよ。
それは、自分自身で見つけるものだ。
ボブ・マーリー (ジャマイカのレゲエミュージシャン)
世界の構造を知る
私たちは、「物質世界」と「精神世界」の両方の世界で暮らしています。
物質世界とは、私たちが何気なく認識している、時間と空間の制約を受けている世界のことです。私たちは、そこでは脳と身体と時間を使って活動しています。仕事や家事・育児などを行っている、目に見えるふつうの世界を意味します。
では、精神世界とは何かというと、時間と空間を超えた無限の世界のことです。 私たちは、そこでは心とエネルギーで活動しています。ふつうはとてもわかりづらい世界です。たとえば芸術家は、自分の身体と時間、空間を超えて仕事を行っています。
目に見える身体については、自由なのか、拘束されているのか、ということがとてもわかりやすいです。たとえば、犯罪者が刑務所に入れば身体は完全に拘束されています。刑務所内の囚人は、自分のことを自由とは思っていないでしょう。自分は拘束されているとわかります。
住む場所や行く場所を自由に選ぶことができる私たちは、身体や大半の時間は自由だと感じると思います。
しかし、目に見えない精神世界に関しては、目に見える物質世界に比べて、圧倒的にわかりにくいです。ですから私たちは、本当は私たちが拘束されていることに中々気づくことができません。
何によって縛られているのかというと、それは「情報」です。
私たちは、物質世界では自由かもしれません。しかし、精神世界では拘束されています。この世界の無限数の情報の、ごく選別された情報だけを受け取り、刷り込まれ、支配者たちの意図通り生かされています。
テレビ、新聞、雑誌、ラジオなどから流れる情報は、無限数の情報から、ある人たちが意図して流したいものだけが選ばれて流されています。
その情報をもとに、常識が創られ、多くの人の価値観が創られています。
私たちの世界は法律と経済で動いています。国家権力者が法律を作っています。権力者は法律によって、どのようにでも国民を管理することができます。ちなみに本当の支配者は、表には出てきません。メディアで目にする有名な方々も支配されている側(それをわかっていてそうしている人もいます)です。
そして経済に関しては、世界のお金の96パーセント以上は、全人口のわずか1パーセントの人たちによって所有されています。残り4パーセントのお金のために残り99パーセントの人たちは、毎日まじめに働いています。
法律もお金も情報です。私たちは、この目に見えない情報により完全に管理されてしまっているのです。
ではどうすればいいかというと、まずはそれに気づくことです。
気づきがなければ選択することができません。それは、先にお伝えしてきました「習慣について学ぶ」を参考にすれば理解することができます。
また、瞑想などの実践を通して、心をクリアにすることを行っていくと、「常識」と言われる概念の様々なおかしさに自分の力で気が付けるようになります。
支配者に対して敵意を向ける必要はありません。敵・味方、善・悪という幻想は人々(特に自分)に苦しみをもたらします。そのような概念は、支配者の「ツール」となっています。
自由の境地
人が人生において楽しさを感じられないときは「自分以外の何者か」になろうとしている時です。周囲の人が楽しそうにしているのに、自分はそう感じない時は、自分を押し殺して社会の枠の中におさまろうとしているのかもしれません。
ここまでお伝えしてきたことをもとにして、自分で考える力を持つと、ある疑問が浮かびます。
私たちはこれまで、ありのままの自分として生きることができていたのでしょうか?
「~すべき」という概念に従って生きてきたのではないでしょうか?
人類の歴史は、少しずつ少しずつ自由へと向かっています。
支配者がどれほど支配・管理を強めても、その外へ出られた個人の数は、確実に増えています。
国や社会は中々変わりません。
あなたが変えられるのは、あなただけです。
そして、
あなたの人生はあなたのものです。
この文書を通して知ったこと、実践することをきっかけとして、
あなたは自分を解放し、理想の一日を描き続け、素晴らしい人生を送ることができるようになります。
※ 「脳と心をクリアにする技術」と「集団意識と幻想を見破る」を知り、特に「脳と心をクリアにする技術」のワークを実践し続けると、「理想を描く」で描いた理想が変わる可能性が高いです。 理由は、エゴによる夢と、源からの夢は異なるからだと思います。 すでに夢がある人も同じく、「脳と心をクリアにする技術」のワークからクリアになった思考を活用すれば、夢にたどり着くための様々な道筋が見えるようになります(もしくは人間関係という経路を通して自動的に導かれます)。
わたしは無駄にこの世に生れてきたのではない。
また人間として生れてきたからには
無駄にこの世を過ごしたくはない
相田みつを (日本の詩人、書家 )
おわりに
私たちが暮らす、この世界は「私」の意識によって、いかようにも創り変えることができる芸術のような世界です。
「私」が想うことは何でもできる素晴らしい世界なのです。
「私」が「私」を決めることができるのです。
画家が、自分で描いたスケッチを気に入らなければ、それを捨てて新しいキャンバスを準備するように、あなたがこれまで描いてきた「物の見方」とそれに伴う「行動」を捨ててしまえば、新しい描き方が見えてきます。
あなたにとって必要な思想、必要な情報だけを受け入れ、それを素材として描けば、そこには美しい世界が広がるでしょう。
そのためにまずは、あなたにとっての「当たり前」に気がつく必要があります。
その「当たり前」に気がつくことができれば、これから描きたい絵にとって、良いものか、悪いものかを選別する作業に取りかかることができます。
あなたにとって、良いと思うものは保管します。
あなたにとって、悪いと思うものは捨てます。
絵を描き続ける途中、あなたが保管したものに対して、再びこの作業が必要になるでしょう。
それは、繰り返しになりますが、画家が絵を描いて、消して、また描いて・・・と、自分が描きたい絵を修正しながら楽しんで描き続けることと同じようなものなのです。
人生は、描きたいと思うものを想像して、この作業を繰り返して「遊ぶこと」「楽しむこと」がコツのようです。
理想的な現実を創るのに必要な、基本的な作業はこれだけです。
・・・私たちは、ずっとずっと前述のことを繰り返しながら生きていきます。
他人による支配の中でもそれは続きます。
自分の意図することの中でもそれは続きます。
どちらかが「良い・悪い」、「優れている・劣っている」ではありません。
ただ、選択が必要なだけです。
そしてやはり、人生はただ、自分が描きたいものを描き続けることを「楽しむこと」がコツのようです。
最後までお読み下さり、ありがとうございます。
あなたがご自身の理想の世界を描いて、それを現実にすることができますよう、心からお祈りしております。