Inner Growth

内面の成長・気づきのコラム

人生には、「まだ動かない時期」がある

人生を振り返っていると、不思議なほど「何をしても進まない時期」があります。

努力していないわけではない。

考えていないわけでもない。

行動していないわけでもない。

それでも、なぜか物事が動かない。

まるで、人生そのものに「待つ時間」が組み込まれているかのように、流れが静止している時期があります。

以前の私は、その状態を受け入れることが苦手でした。

結果が見えない。

変化が起きない。

手応えがない。

そうなると、「もっと何かをしなければならない」と考えてしまう。

知識を増やし、方法を探し、無理にでも次の扉を開こうとしていました。

けれど、人生を長く観察していると、どうしても否定できない感覚があります。

それは、人間の意志だけでは動かせない「時期」が、どうしても存在している、ということです。

たとえば、種には芽を出す季節があります。

どれだけ外側から力を加えても、冬のあいだに無理やり花を咲かせることはできません。

逆に、時期が来れば、それまで何も起きていなかったかのように、自然に芽吹き始める。

人生にも、それに近い流れがあるように感じています。

動く時期には、不思議なくらい自然に物事がつながっていく。

必要な人と出会い、必要な出来事があり、止まっていたものが一気に流れ始める。

けれど、まだその時ではない時期には、どれだけ前へ進もうとしても、どこかで流れが止まる。

以前は、その停滞を「失敗」だと思っていました。

周囲と比べてしまうこともありました。

もっと進んでいる人。

もっと結果を出している人。

もっと社会的に成立している人。

そうしたものを見ながら、自分だけが取り残されているように感じていた時期もあります。

けれどいまは、その見え方が少し変わってきました。

止まっているように見える時期にも、表面では見えない変化が起きているのではないか、ということです。

むしろ、あの静かな時間がなければ、次の流れへ移れなかったことも多かった。

人は、「何も起きていない時間」に耐えることが苦手です。

結果が欲しくなる。

意味を求めたくなる。

「この時間は正しいのか」と確認したくなる。

けれど、人生には、「まだ形になっていない時間」が必要なのかもしれません。

外側では変化していないように見えても、内側では少しずつ、次の準備が進んでいる。

価値観が変わり、見え方が変わり、人生の重心そのものが静かに移動していく。

そうした変化は、多くの場合、目に見える成果としては現れません。

だからこそ、人は途中で不安になります。

しかし、本当に大きな変化ほど、最初は静かなものなのかもしれません。

私自身、これまで何度も、「なぜ今は動かないのだろう」と感じる時期を経験してきました。

けれど振り返ってみると、その時間は決して無意味ではありませんでした。

むしろ、あとになって見れば、「あの時間が必要だった」としか思えないことが多いのです。

人生には、動くことでしか見えない景色があります。

同時に、止まることでしか見えない景色もあります。

そしてそのどちらも、本来は優劣のあるものではないのだと思います。

もし今、自分だけが止まっているように感じているのなら。

あるいは、前へ進まない感覚があるのなら。

その時間を、すぐに「間違い」と決めつけなくても良いのかもしれません。

人生には、「まだ動かない時期」があります。

あとになってみると、あの時間にしか見えなかったものも、確かにありました。

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