Inner Growth

内面の成長・気づきのコラム

社会が求める肩書きと、本質のあいだで

最近、About Office ページを整えるなかで、改めて「自分は何者なのか」という問いに向き合う時間がありました。

活動を続けていると、どこかのタイミングで、自分のしていることを社会に対してどのような言葉で説明するのかを考えることがあります。

何者として名乗るのか。

どのような肩書きを持つのか。

どの言葉であれば、自分の活動を大きく外さずに伝えられるのか。

医師、看護師、弁護士、経営コンサルタント。

社会には、役割や専門性を短く伝えるための肩書きが数多くあります。

肩書きがあることで、人は安心します。

何をしている人なのかが理解しやすくなるからです。

一方で、肩書きは本質そのものではありません。

それは社会の中で人や活動を理解するための入口であり、便利な目印です。

けれど、その目印がそのまま、その人のすべてを表しているわけではありません。

私自身も、過去にさまざまな肩書きについて考えてきました。

人材育成家。

コンサルタント。

研究者。

あるいは、もっと本質に近いところで言えば、霊的教師。

どれも、間違ってはいません。

実際、それぞれの要素は自分の活動の中に含まれています。

けれど、不思議なくらい、どれもしっくり収まりきりませんでした。

人材育成には強い愛着があります。

長年、人が変化していく過程に関わることを、自分の活動の中心に置いてきたからです。

一方で、現在の活動は、一般的な人材育成とも少し違います。

研修をしているわけでもなければ、企業コンサルティングを積極的に行っているわけでもありません。

では研究者なのかと言われると、それも少し違います。

研究しているのは確かですが、学術研究そのものを目的にしているわけでもありません。

考えれば考えるほど、一つの言葉に収める難しさを感じました。

その中で見えてきたのは、問題は、適切な肩書きが見つからないことではないということでした。

そもそも活動そのものが、ひとつの既存カテゴリに収まりきらないのです。

人間を観察する。

認識構造を研究する。

社会構造を見つめる。

洞察を文章として記述する。

その言葉を通して、人や社会の見え方に変化が生まれていく。

こうして並べてみると、私が長年続けてきたことは、単なる執筆でも、教育でも、コンサルティングでもありませんでした。

それらを部分的に含みながら、もっと別のことをしていたのだと思います。

その過程で、ひとつの言葉に辿り着きました。

シンクタンク。

この言葉には、正直少し迷いもありました。

自分のような個人が、そのような言葉を使ってよいのか。

少し大きすぎる言葉ではないか。

どこか、おこがましい気もしました。

けれど、そうした感覚そのものが、ある種の社会的な前提から生まれているのかもしれません。

私たちは知らず知らずのうちに、大きな組織でなければならない。

社会的に認知されていなければならない。

一定の肩書きや実績がなければ、その言葉を名乗るべきではない。

そのような前提を、深く受け取っているのかもしれません。

しかし、本当にそうなのでしょうか。

大切なのは、肩書きそのものではなく、実際に何を見つめ、何をしているのか。

そして、その本質が何であるのか。

そうしてシンクタンクという言葉の本質を見ていくと、それは単なる規模の話ではないように思えました。

一般には政策や経済領域で使われることの多い言葉ですが、私にとって大切だったのは、その名称よりも、本質でした。

ここでいうシンクタンクとは、政策提言や組織的調査を主目的とする一般的な意味ではありません。

複雑な対象を研究し、分析し、その背後にある構造を明らかにし、洞察を社会へ提示していく知的活動の場。

もし本質で見るなら、Office Human Nature が行っていることは、この姿に比較的近いのかもしれません。

もちろん、これは何か大きな看板を掲げたいという話ではありません。

肩書きそのものに、自分の価値を預けたいわけでもありません。

今回向き合っていたのは、自分を定義するためというより、現在の活動を社会とどのような言葉で接続するのが自然なのか、という問いでした。

その結果として、現時点で最もしっくりくる言葉が見つかった。

ただ、それだけです。

最終的に、Office Human Nature の冒頭文をこのように整えました。

『Office Human Nature』は、人間の本質や認識構造を研究し、人や社会の見え方に変化をもたらす洞察を届けるシンクタンクです。

この言葉は、これまで何度も迷いながら、少しずつ整えてきたものです。

名称や説明文、活動の見せ方について、これまでにも変更を重ねてきました。

そのたびに、読んでくださる方には少しわかりにくさを感じさせてしまったかもしれません。

それでも、こうして時間をかけて向き合ってきたことで、ようやく現在の活動に対して、かなり自然な言葉へ辿り着けたように感じています。

現時点では、この言葉が最も本質に近いように感じています。

もちろん、探究が深まれば、表現の細部は変わっていくかもしれません。

けれど、Office Human Nature が、人間の本質や認識構造を研究し、人や社会の見え方に変化をもたらす洞察を届けていく場であること。

その土台そのものは、これからも変わらないと思っています。

今回あらためて感じたのは、肩書きとは本質そのものではないということです。

肩書きは、社会と接続するための入口にすぎません。

本当に大切なのは、何を名乗るかよりも、どのような在り方で生き、何を見つめ、何を届け続けているか。

そのほうなのだと思います。

これまで迷いながら進み、言葉を変え、形を整えながら続けてきたこの場所を、いつも静かに読んでくださっている皆さまに、心より感謝いたします。

これからも、目に見える出来事の奥にある見え方や構造へ静かに光を当てながら、人や社会の見え方に小さな変化が生まれるような文章を、丁寧に届けていきたいと思います。

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