
慣れたあとには、違和感は残りません
同じことを続けていると、最初にあった引っかかりは消えていきます。気にしなくなるというより、気づかなくなっていく。それは、問題がなくなったからではありません。ただ、意識に上がらなくなっただけのことです。
繰り返すうちに、違和感は後ろに回されます。扱う必要のないものとして、そのままにされていく。その状態では、何も起きていないように見えます。むしろ、迷いが減り、考えることも少なくなるため、うまくいっているように感じられることさえあります。
それは、社会という仕組みに自分を最適化させていく、ひとつの適応の形なのかもしれません。
けれど、あとから振り返ると、最初に感じていたものは、そのまま残っています。消えていたのではなく、ただ見えなくなっていただけ。慣れることは、間違いではありません。けれど、それだけで十分とは限らない気がするのです。
効率よく日々を回すために削ぎ落とされた、その「小さな引っかかり」。そこにこそ、今の場所からそっと浮上するための、自分だけの静かな真実が宿っている。そんな気がしてならないのです。